舶用燃料油の性状はISO 8217で規格されており、ある程度の品質が保たれています。しかし規格されている各性状が基準値以内であったとしても、燃料油が舶用機関に供給されるまでに性状の改善は不可欠です。
一般的な船内の燃料油システムで改善が可能・不可能となる性状項目は以下が挙げられます。
| 改善が可能な燃料油の性状 | 改善が不可能な燃料油の性状 |
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また、一般的な船内の燃料油システムで改善な可能な清浄方法として以下が挙げられます。
- 燃料油加熱器による温度調整(粘度)
- セットリングタンクで夾雑物沈降、水分の分離・除去
- フィルター、ストレーナーなどの濾し器で不純物を除去
- 清浄機で水分、アルミナ・シリカの除去
効果的な清浄方法としては清浄機が挙げられますが、適切な状態で運転することが最も重要になり、一般的に効果的な清浄機の運転方法として以下が挙げられます。
- 通油量
燃料消費量+ある程度多い量を清浄機の処理量として処理時間を長く保ち効率を上げる 。清浄機を並列運転として1台分の処理量を下げることも効果的 - 処理温度
最適温度となる98℃まで加熱し粘度を下げ処理能力を上げる - スラッジ排出間隔
燃料油の性状により一概に決定することはできないが、スラッジ濃度にあわせて適切は排出間隔にする - 調整版の選択
ピュリファイヤ運転(油、水、スラッジの三相分離運転)の場合、適切なサイズを選定することが効率的な清浄機運転に必要 - 封水、置換水量
水量が適切にすることで分離する油(燃料油)が処理する水、スラッジ側に流れるロスを最小限に抑える
一方で、改善が不可能な性状として挙げている項目には、化学的処理(添加剤)や追加の機器で対応が可能な場合もあります。
代表的な添加剤として、スラッジ分散剤、燃料促進材、燃焼灰改質剤・高温腐食抑制剤、低温流動性改善剤、水分離剤など各ケミカルメーカーより販売されています。
密度に関しては、清浄機で処理できる油の密度は実用的には991 kg/m3 (at 15℃)までとされています。これ以上の密度の場合は清浄機に組み込まれる調整版(比重版)に制限があり、運転条件(処理温度、通油量)の変化により安定した運転をすることが難しくなる場合があります。
硫黄分に関しては、脱硫装置となるSOxスクラバーの使用により、規制されている燃料油硫黄分以上の燃料油に対応可能となりますが、非搭載船においては硫黄分規制値を超える燃料油を保有すると重大なMARPOL違反となるため、注意が必要です。
※ MARPOLサンプルおよび商用サンプルにおける燃料油中の硫黄分含有量の取扱いについて、当社が発行しているメールマガジン第5号で説明しておりますのでご参照ください。
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