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東洋船舶 Tech. メルマガ 第5号
“燃料油の規制値および品質について”
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こんにちは!東洋船舶 海工務部です。
メールマガジン第5号は、燃料油に関する一般的な規則および品質の判断について簡単にご紹介します。皆様のご参考となれば幸いです。
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◆目次
[1] 燃料油規則と適合証明
[2] MARPOLサンプルおよび商用サンプルにおける硫黄分濃度
[3] まとめ
[1] 燃料油規制
MARPOL条約付属書VI 第14規則にて、船舶で使用する燃料油中の硫黄分濃度の規制が規定され2020年1月1日より一般海域における燃料油中の硫黄分濃度は0.50 %以下、その他排出規制海域としてECA(2015年1月1日より)もしくは各国港湾独自の規則で燃料油中の硫黄分濃度0.10 %以下の規制が適用されています。
この規制に対して適合油の使用、SOxスクラバーの使用、もしくはLNG等の代替え燃料への転換の対応が必要となり、適合油における硫黄分濃度の適合証明としてBDN (Bunker Delivery Note)または、MARPOLサンプルの検査が挙げられます。
尚、BDNに記載しなければいけない燃料油性状は以下の通りとなります。
1) Density at 15℃ (kg/m3)
2) Sulphur content(% m/m)
[2] MARPOLサンプルおよび商用サンプルにおける硫黄分濃度
補油時はMARPOLサンプルおよび商用サンプル(分析用、保管用、バンカーサプライヤー用)を採取し、その後の商用サンプルの分析で硫黄分濃度が規制上限値を超える結果がでる場合があります。例えば、BDNには硫黄分濃度が0.48%と記載があるのにも関わらず、商用サンプルを分析したところ硫黄分濃度が0.51%という結果が出てきた、などのご経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
MARPOL条約で規制される硫黄分濃度は規定されている検査手順ISO 8754に沿って分析されたものが有効となり上記【1】で述べた上限値以上の硫黄分濃度は認められません。
これに対して、用船者間との燃料油性状に関する取決めに使用されるISO 8217 “specification of marine fuels” に沿って採取・分析される商用サンプルの検査の精度と適用についてはISO 4259に沿ってR&R (Repeatability & Reproducibility / 反復性と再現性) いわゆる検査結果に誤差が生じる許容範囲が定められています。
よって、商用サンプルで分析された燃料油中の硫黄分濃度が上限値を超えたとしても、測定誤差が考慮される分析値(0.50%の場合は0.53%, 0.10%の場合は0.11%)以下となれば規制された硫黄分濃度以内と見做されることになります。
CIMAC (国際燃焼機関会議 / Conseil International des Machines a Combustion (仏))ではISO 4259およびISO 8217で規定されている各項目の測定誤差の許容範囲について説明されていますのでご参考までにリンクを紹介します。
The Interpretation of Marine Fuel Analysis
[3] まとめ
● MARPOLサンプルと商用サンプルの用途(目的)の相違点
* MARPOLサンプルはMARPOL規則に適合するかを確認するサンプル(Analysis by Port Authority request, if any) : Density at 15℃ / Sulphur content
* 商用サンプル:本船の主機・補機に適合するかを確認するサンプル(Analysis by the owner):
上記+主機・補機の損傷原因になる異物質の有無の確認
● MARPOL条約で規制される燃料の適合証明はBDNに記載の数値、MARPOLサンプルの検査結果が有効 となる
● MARPOLサンプル分析方法と商用サンプルの分析方法は異なり、商用サンプルの分析結果には ISO4259に沿って測定誤差が定められている
UK P&I では硫黄分濃度規制以外にも燃料油の品質クレームについて2020年にWebinarで紹介しています。その際のFAQを纏めたものを発行していますのでご参考までにリンクを紹介します。
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