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東洋船舶 Tech. メルマガ 第8号
“SIRE2.0”
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こんにちは!東洋船舶 海工務部です。
タンカーやガス船にとっては商売上必須のSIRE検船ですが、この検船手順や評価方法が大幅に変更となり、‘SIRE2.0’ として開始されることはご存じの方も多いのではないでしょうか。
今回のメールマガジンでは、SIRE2.0の仕組みや現在のSIREからの変更点についてご紹介します。皆様のご参考となれば幸いです。
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◆目次
[1] 移行スケジュール
[2] 主要な変更点
[3] 準備
[4] 情報ソース
2023年4月10日更新
こちらの記事でご紹介した通り、OCIMFのHPにて各種トレーニング動画や資料が追加で公表されました。
[1] 移行スケジュール
SIRE2.0への移行スケジュールはOCIMFにより次のように発表されております。
- 2022年1月:SIRE2.0のQuestionnaireやGuidance等の詳細が発表された。
- 2022年3月:検船前準備 に関するInstructionが発表予定。
- 2022年4月:SIRE2.0検船予約開始予定※。その後6か月間は現行のSIREとSIRE2.0を並行して実施(どちらでも受検可能)。
- 2022年4Q:現行のSIRE終了。SIRE2.0への完全移行。
※2021年12月にOCIMFにより開催されたWebinarで、SIRE2.0の検船予約開始時期は2022年4月と発表されましたが、正式には通知は出されておりません。
また、COVID-19 の状況によってはSIRE2.0開始から6か月経過以降も、現行SIRE検船によるRemote Inspectionの実施を検討するとの記載もございます。
移行スケジュールは今後も変更の可能性があるため、最新の情報を公式HP等でご確認いただくことをお勧めいたします。
2023年4月10日更新
SIRE2.0の開始時期はまだ正式な発表がされておりません。現行のSIREから2.0への移行期間は6か月間と案内されています。
[2] 主要な変更点
a) 検船前準備
SIRE2.0では実際の検船の前に、管理会社が本船の各種情報をUploadする必要があります。検査官はUploadされた本船情報をあらかじめReviewした上で実際の検船を行います。
この情報の中には各種証書や書類・本船の写真(検船前に都度撮影してUploadすることが望ましいとされる)・Operational History等が含まれます。これは現行のSIRE検船に追加で発生する手順であり、管理会社や本船の作業量が増えることが予想されます。
なお、検船前の情報Uploadに関するInstructionは2022年3月に発表される予定です。
2023年4月10日更新
OCIMFのHPより以下資料がダウンロード可能です
写真の事前Uploadに関するInstruction
証書の事前Uploadに関するInstruction
Pre Inspection Questionnaire(PIQ)に関するInstruction
(PIQとは、SIRE検船の前に管理会社が回答するQuestionnaireです。管理会社スタッフの訪船履歴、貨物タンクやバラストタンクの内検履歴、CAPのステータス、その他さまざまな質問があります)
b) Questionnaire
現行のSIRE検船においては、VIQ(Vessel Inspection Questionnaire)と呼ばれる全船統一の質問項目が検船に使用されています。
SIRE2.0においては各船の機器類や運航履歴等から、その船に適した質問が抽出され、Complied Vessel Inspection Questionnaire(CVIQ)と呼ばれるQuestionnaireが検船の度に作成されます。
CVIQは既に公開されているQuestion Libraryの中から質問が抽出されて作成されますが、どの質問が今回の検船に使用されるかは管理会社や本船には通知されない事となっています。
Question LibraryはVIQ7より26項目が追加され、全985項目で構成されています。VIQ7とQuestion Libraryの対比表もOCIMFにより公開されていますのでご参考ください。
c) 検船
実際の検船時の大きな変更点として、検査官がタブレットを使用することが挙げられます。
検査官がタブレットで撮影した写真や指摘事項の根拠となる書類等のデータもタブレットに取り込まれ、検船レポートに反映されるため、第3者からもより分かりやすい検船レポートとなることが見込まれます。
また検査の開始時間・終了時間・検査官のGPS位置などはタブレットに記録され、関係者が記録を確認できるようになります。
一方で検船時間の目安は8時間と、これまでと変わらない検船時間が想定されています。
検船結果はClose Meeting前に本船のワイヤレスプリンターで印刷されて船長に渡されます。(プリンターが無い場合は船長が手書き等で検船結果をメモすることになります)
なお、ターミナル規則等により電子機器の使用が制限されるケースも想定されますが、その場合は従来通り紙ベースでの検船が行われます。
d) 指摘事項・評価
質問に関する検査官の評価の方法も、大きく変更となる点です。
現行のSIRE検船では、各質問に対する検査官の評価はYes/No/NAで回答され、‘No’つまり質問に対して本船がComplyしていないと評価された場合にObservation(=指摘事項)とされていました。
SIRE2.0においてはYes/Noだけでなく段階的に評価される質問項目も多く設定されました。
また、各質問に対して指摘(=Negativeな評価)だけではなく、想定以上の状態であった場合にPositiveな評価も入力するようになっています。
総じて、指摘件数と指摘内容でのみ評価されていた現行の検船結果と比較して、よりきめ細やかで複雑な検船結果が出ることが予想されます。
これらの検船結果を各OCIMF MemberがどのようにReviewして管理会社/本船評価につなげるのかは未知数です。現在は各OCIMF MemberがそれぞれのVetting Criteriaに沿って評価を行っていますが、その流れを踏襲する場合は従来通り検船後の管理会社/本船の評価に差が出るケースもあるものと推測されます。
e) その他
検船頻度についてOCIMFはSIRE2.0移行後も指定しないため、Vettingを実施する会社次第となります。
SIRE2.0には移行期間が設定されており、一定期間は現行SIREとSIRE2.0のどちらも受検することが可能です。しかしながらVettingを行う会社によっては完全移行前にSIRE2.0を受検するよう要請を受けることも想定されます。このため、ある程度の余裕を持って移行準備を進めたほうが良いかもしれません。
[3] 準備
SIRE2.0への移行準備にはどのようなものがあるでしょうか。ここでは、想定される準備の一例をご紹介します。
- 検船前にUploadを要求される各種情報の中身やUpload手順を確認する
- 検船予約方法、検船後のOperator Commentの入力方法などの手順を確認する
- Question LibraryのReview
- SIRE2.0の検船準備・手順・注意事項等について乗組員への周知
- スムーズな受検のための設備検討(ワイヤレスプリンター、本船の通信容量の確認など)
- 管理会社による検船立ち合いの検討
[4] 情報ソース
OCIMFのHPにて、SIRE2.0に関する各種情報(Questionnaire・各種ガイドライン・Webinarの動画・FAQなど)へアクセス可能です。以下リンクをご参照ください。
https://ocimf.org/programmes/sire-2-0
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今月のメールマガジンはいかがだったでしょうか?
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