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東洋船舶 Tech. メルマガ 第12号
“2021年 PSC検船結果まとめ”
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こんにちは!東洋船舶 海工務部です。
メールマガジン12号では、Tokyo MOU/Paris MOU/USCGの3機関より発表された2021年PSC検船の年次報告書に基づき、2021年のPSC検船結果のまとめをご案内します。皆様のご参考となれば幸いです。
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◆目次
[1] Summary
[2] 検船数とDetention率の変化
[3] Black List/Grey List/White List
[4] 指摘傾向
[1]Summary
- COVID-19の流行によりPSC検船数が世界的に著しく減少した2020年と比較して、2021年の検船数は以前の水準に回復しつつありますが、その回復度合いは地域によりまちまちです。
- Detention率はTokyo MOUとUSCGで横ばい、Paris MOUではややDetention率が増加していますが過去10年と比較すると平均的です。
- 各機関が公表する船籍やROに対するBlack List等について、USCGでは2022年7月よりLiberia FlagがMedium Riskリストから除外されました。一方でPanama Flagは引き続きMedium Riskリストに入っています。
- 拘留につながる欠陥ではFire Safety・ISM・LSAに関するものが目立ちますが、これは過去の傾向と同様です。
[2]検船数とDetention率の変化
COVID-19の影響により世界的にPSC検船数が減少した2020年と比較すると、2021年は検船数が増加しました。Tokyo MOU・Paris MOUにおいては依然として2019年以前の検船数までは回復しませんでしたが、USCGでは2019年と同水準の検船数まで達しました。
Detention率はどうでしょうか。Detention率とは、検船数に対して拘留される船舶の割合を指します。
2020年と2021年のDetention率を比較すると、USCGおよびTokyo MOUはほぼ横ばいでした。
一方でParis MOUにおいてはDetention率が2020年の2.92%から2021年の3.43%とやや悪化しました。つまり拘留される船舶の割合が増えたということです。とはいえParis MOUにおけるDetention率は2012年から2019年の間、2.98%~3.88%の間を推移しており、2021年の3.43%は過去10年間において平均的とも言えます。
[3] Black List/Grey List/White List
各機関は船籍やRO(recognized Organization)に関してそれぞれ独自の方法で評価したリストを公表しており、このリストも考慮した上で入港する船舶に対してPSC検船を実施するかどうかを決定しています。
例えばある船舶の船籍国がBlack Listに載っている場合、その船舶は相対的にリスクが高いと見なされるためPSC検船の頻度が高くなる傾向にあります。
このリストは定期的に更新されますが、2021年の年次報告書には2022年7月から適用となる新しいリストが公表されています。
それによるとTokyo MOU・Paris MOUに関しては主要な船籍国(Panama・Liberia等)はこれまで同様にWhite Listに載っていました。
USCGにおいてはこのリストはHigh Risk Flag Administration, Medium Risk Flag Administrationと名付けられています。Panama Flagは残念ながら以前よりMedium Riskのリストに載せられており、2022年も引き続きリストから除外されることはありませんでした。
その一方で、Liberia FlagはこれまでMedium Riskのリストに載せられていましたが、最新のリストからは除外されています。
[4] 指摘傾向
4.1 Detainable Deficiency
Tokyo MOUおよびUSCGにおいて、Detentionにつながる欠陥(Detainable deficiency)として指摘された欠陥はFire Safety/ISM(SMS)/LSAが多くの割合を占めます。これは以前から変わらない傾向です。以下にそれぞれ代表的な指摘を挙げます。
- Fire Safety:Fire Damperの損傷・機関室の油漏れ・火災検知器や火災警報に関する欠陥 など
- ISM(SMS):これに関する欠陥は多岐にわたりますが、一例として乗組員がSMSの手順を守らないことが挙げられます。USCGの年次報告書においては、乗組員がCOVID-19の症状をあらわしており、SMSではそのような場合の報告が指示されているにも関わらず、本船はUSCGに当該事象を報告しなかったことでDetentionとなった例が記載されていました。
- LSA:LifeboatやRescue boatに関する欠陥(boatの損傷・付属品の不備・boatがいつでも使用できる状態に無いなど)・Immersion Suitesの損傷 など
Detainable deficiencyについては海工務サポートセンターの記事(こちら)もご参照ください。
※なお、Paris MOUにおいてはDetainable deficiencyの統計データは公表されておりません。
4.2 Deficiency
年次報告書から抽出した、各機関における指摘事項のカテゴリーTOP5は以下の通りです。
各機関によって指摘される欠陥に若干の傾向の違いがあることが見て取れますが、Fire SafetyやLSAは共通して指摘の割合が高いカテゴリーです。
|
|
TOKYO MOU |
PARIS MOU |
USCG |
|
1 |
Others(26.26%) |
Fire Safety(13.5%) |
Fire Safety(29.46%) |
|
2 |
Fire Safety(14.88%) |
Safety of Navigation(10.2%) |
LSA(11.39%) |
|
3 |
Working and Living condition(14.49%) |
Labour conditions(10.1%) |
Stability, structure and related equipment(9.95%) |
|
4 |
LSA(13.03%) |
LSA(7.2%) |
Propulsion and auxiliary machinery(8.71%) |
|
5 |
Safety of Navigation(11.91%) |
Certificate Document(6.1%) |
SOLAS-other(7.41%) |
※すべての指摘事項の件数のうち、該当するカテゴリーの指摘事項が何件発生したかの割合を示すすべての指摘事項の件数のうち、該当するカテゴリーの指摘事項が何件発生したかの割合を示す
各機関の年次報告書は以下よりご覧いただけます。
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