こちらの記事でご案内しました通り、IMSBC CODEの定期改正が2023年12月1日に適用となります。改正内容について重要と思われる点についてご案内致します。
適用時期
2023年12月1日より。ただし2023年1月1日以降、主管庁は任意で早期適用が可能。
主な改正内容
1.Group A貨物の定義変更
Group A貨物の定義が「Cargoes which may liquefy」から「Cargoes which may liquefy or undergo dynamic separation」に変更されました。
Dynamic Separation(動的分離)とは、貨物中の水分と固形分が分離する現象です。分離した水分が船の動揺に合わせてHold内で動くことで、本船の復原性に悪影響を与え、船の転覆を引き起こす原因となります。
動的分離が発生する貨物としてはボーキサイトが知られており、これによる船舶の転覆事故が発生したことから、ボーキサイトは前回のIMSBC CODE定期改正においてGroup CからAに既に変更されていました。
一方で液状化と動的分離は異なる現象のため、ボーキサイトがGroup Aにカテゴライズされるかは曖昧な点がありました。
今回の改正点は、動的分離が発生する貨物はGroup Aであると明確に定義したものです。
動的分離と液状化の違いについては以下リンクをご参照ください。
https://www.amsa.gov.au/vessels-operators/cargoes-and-dangerous-goods/dynamic-separation-cargoes
2.Ammonium nitrate based fertilizerのスケジュール変更
‘AMMONIUM NITRATE BASED FERTILIZER(non-hazardous)’ が削除され、代わりに ’AMMONIUM NITRATE BASED FERTILIZER’ 及び ‘AMMONIUM NITRATE BASED FERTILIZER MHB’が新設されました。
’AMMONIUM NITRATE BASED FERTILIZER’ と ‘AMMONIUM NITRATE BASED FERTILIZER MHB’ の違いのひとつは貨物内のChlorideの含有割合です。
‘AMMONIUM NITRATE BASED FERTILIZER MHB’ のほうがChlorideの含有割合が高く、Group Bに分類されました。
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削除 |
追加 |
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スケジュール名 |
AMMONIUM NITRATE BASED FERTILIZER(non-hazardous) |
AMMONIUM NITRATE BASED FERTILIZER |
AMMONIUM NITRATE BASED FERTILIZER MHB |
Group |
Group C |
Group C |
Group B |
3.SUPERPHOSPHATE(triple, granular)のスケジュール変更
SUPERPHOSPHATE(triple, granular)のGroupがCからBに変更されました。それに伴い貨物の積載に要求される本船設備等にも変更が生じています。
4.その他新規追加
以下貨物が新たにスケジュールに追加されました。
LEACH RESIDUE CONTAINING LEAD
CLAM SHELL
証書書き換えの手続き、各貨物積載の設備要件等についてはClass NKのテクニカルインフォメーションをご参照ください。
https://www.classnk.or.jp/hp/pdf/tech_info/tech_img/T1283j.pdf
また、改正内容の詳細に関しては添付IMO Res. MSC.500(105) ANNEX7 をご参照ください。
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