2020年11月に開催されたMSC102において係船の安全性を向上させるためのSOLAS条約の改正が採択され、2024年1月より強制化されます。
この改正の中で、係船設備や係船索の点検や保守に関する新たなIMOガイドライン’Guidelines for inspection and maintenance of mooring equipment including lines / MSC.1Circ.1620' が採択されました。これは2024年1月1日以降、全ての船舶に適用されます。
ガイドラインの要求事項
この新たなガイドラインにより、船主は係船作業の手順の設定、係船索や係船設備の点検や保守手順の確立を行う事が求められます。この手順を確立する際には、本ガイドラインのパラグラフ7に記載された参考図書を参照し適切な手順を作成することとされています。また、係船索および係船設備の点検、保守の記録とその保持が併せて要求されます。
具体的な手順の内容は?
では、具体的にはどのような手順を作成すれば良いでしょうか。本ガイドライン中には検査や整備の際に考慮すべき事項が記載されています。また、DNVが手順書のサンプルを公開していますので、参考にすることが出来ます。DNVは用語等に関するFAQも公開しています。
手順作成、運用上の懸念事項
2024年1月以降、PSCが本件に注意を払って詳細に検査をすることも予想されます。
この新たな要求を遵守していることを確認するため、まず現在運用中の係船設備や係船索の検査・保守手順とIMOガイドラインを見比べて、整合性を確認し、要すれば改定することが最初のステップです。
手順を改定した後、乗組員が新たな手順に沿って確実に検査、保守、記録を実施することも重要な点です。乗組員に新しい手順が浸透するよう必要な措置(例:Circularの作成、乗船前ブリーフィングでの教育、SI訪船時のonboard trainingや記録の確認 etc.)を検討することをお勧めいたします。
DNV GUIDANCE FOR MAINTENANCE AND INSPECTION OF MOORING EQUIPMENT(手順書のサンプルあり)DNV_Guidance_Safe_Mooring_Maintenance_May2021_.pdf
DNV Safe Mooringに関する特設ページ
https://www.dnv.com/maritime/insights/topics/safe-mooring/index.html
MSC102審議結果
https://www.classnk.or.jp/hp/pdf/tech_info/tech_img/T1229j.pdf
2023年8月24日更新
Class NKがテクニカルインフォメーションTEC-1304 ’SOLAS II-1 Reg.3-8 改正による曳航係留設備の新要件について’を公表しました。船主・管理会社の対応事項について、また元となるIMOガイドラインや船級規則も添付されています。
テクニカルインフォメーションTEC-1304
https://www.classnk.or.jp/hp/pdf/tech_info/tech_img/T1304j.pdf
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