中国沿岸での船舶からの排水に関する規制が強化されています。本記事では2025年6月に発行されたPNIサーキュラー[2025]05の内容をわかりやすくまとめました。
規制の背景と目的
中国政府は、海洋環境保護の一環として、船舶から排出される油分、生活排水、有害物質などの水質汚染物質に対する排出基準を強化しました。これにより、特に渤海などの内海では排出が厳しく制限されています。
主な排出規制の概要
以下は、船舶の種類や排出物の種類ごとに定められた主な規制内容です:
- 油分を含む排水:油分濃度が15mg/L以下で航行中に限り排出可能。新造船や特定の船種では、受入施設への排出が義務付けられています。
- 生活排水(トイレ等):処理装置で基準を満たした上で、航行中に排出可能。内水域では受入施設への排出が推奨されます。
- 有害液体物質を含む排水:12海里以内では排出禁止。それ以上離れた海域では、速度や水深などの条件を満たせば排出可能。
- ごみ:プラスチックや家庭ごみはすべて受入施設へ。食品廃棄物は3海里以上離れた海域で処理条件を満たせば排出可能。
渤海海域での排出制限
渤海は中国の内海とされ、原則として排出は禁止されています。ただし、以下の条件を満たす場合に限り排出が認められます:
- 処理済みの生活排水(航行中に限る)
- 油水分離装置で処理された機関室からの油性廃水(航行中)
- 環境に有害でない洗浄水
- 灰色水(グレイウォーター)
- D2基準を満たし、事前許可を得たバラスト水
領海基線が未定義の海域での注意点
一部の海域では、排出距離の基準となる領海基線が明確でないため、以下のような慎重な対応が推奨されています:
- 受入施設への排出
- 適切な海域まで一時保管
- 電子海図などで距離を確認し記録を残す
実務上の推奨事項
・排出記録を正確に残す ・現地の海事局(MSA)に事前確認を行う ・洗剤や清掃剤は環境に優しいものを使用する
まとめ
中国沿岸での排水規制は年々厳しくなっており、船舶運航者は最新の基準を把握し、適切な対応が求められます。不明点がある場合は、現地の海事局や専門機関に相談することをおすすめします。
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