今般、パナマ運河通航船において、パイロットの指摘により本船の運航が中止され、Disruption charge(運航妨害料)が適用された案件が複数発生しております。
以下、Disruption chargeの概要をお知らせしますので、パナマ通航前は船体設備、船内衛生環境、船内空調等の状態にご留意頂き、パイロットから要らぬ嫌疑をかけられぬようご対応される事をお勧めいたします。
※過去の掲載記事も併せてご確認下さい⇒【規則】 Panama運河 Tariff改定 2023年1月より
パナマ運河庁は2023年1月より改正されたタリフの追加説明として、Advisory to Shipping No.A-38-2022を発行しています。
この中で本船の設備・機器等に不具合が生じた際に発生する'Disruption Charge'について説明がされています。(Disruption charge=中断料、運航妨害料)
この料金の目的は、輸送中の船舶事故を減らし、不備を修正または修正できない場合はタイムリーに報告するよう船舶に促すことにより、運航の遅延および/または混乱の可能性を最小限に抑えることです。
この料金は、輸送中に発生する欠陥を示す船舶に適用されます。料金は、欠陥の種類と報告または検出された時間に応じて、低または高に分類されます。運航妨害料は、タグボート、綱とり、係留、水先案内などの他の該当する海事サービス料金に追加されます。混乱料金の適用を引き起こす可能性のあるいくつかの欠陥は次のとおりです。
a) 錨がないか錨ウインドラスが作動しない
b) バウスラスターの不作動
c) 不適合の係船金物(チョックとビット)
d) コンプレッサーまたは空気の問題
e) 舵角指示器およびその他の航法装置の不作動
f) 不適切な搭乗施設
g) ホイッスルの不作動
h) エンジンまたはプロペラの問題
i) 過度のドラフトまたはdrag(和訳不明の為原文まま)
j) 船橋のウィングが船体の側面まで伸びていない
k) 突き出た貨物、または貨物または貨物装備によって遮られた視界
l) 不十分な衛生施設
m) 作動しないまたは不適切な空調システム
n) ウインチの速度低下
o) ドラムのワイヤー
p) パナマ運河の操縦燃料要件に適合しない燃料
※輸送中に不具合が発生したりする船舶は、不具合が報告または検出されてから 『30 分以内』に不具合または状態を修正する事で、運航妨害料の適用を回避することが出来ます。
影響度:低 トランジット前に航行が中止された場合など
追加料金:15,000USD~65,000USD
影響度:高 パイロットが乗船し、トランジット中に航行が中止された場合、若しくは条件追記航行が継続される場合、CPC(Canal Port Captain)の検査を受け承認が必要な船舶
追加料金:49,000USD~250,000USD
パナマ運河庁発行のタリフ表はこちら(pdf版)⇒1086-disruption.pdf
パナマ運河庁発行のタリフ表はこちら(ウェブページへのリンク)⇒Disruption tariff
2023年3月20日Update
パナマ運河庁はAdvisory to Shipping No.A-11-2023にてDisruption Chargeに関して追加情報を発表しました。
Notice to Shipping No.N-1-2023のSection24に記載ある通り、船内空調設備も船内設備の一環と見なされます。船橋及びPilot Cabinの室温は21度から26度の間、湿度は40%から70%の間に適切に保たれない場合は運河庁へ報告する必要があり、その結果Disruption Chargeが課される可能性があります。
また、Notice to Shipping No.N-1-2023のSection23に記載ある通り、本船はPilotに対して清潔で用途に適しており、暗さを保つことのできるOfficerと同等の居室を提供しなければなりません。居室にはトイレ設備も含まれます。この要求を満たせない場合は、同様にDisruption Chargeが課される可能性があります。
Deficiencyの影響度を記載したMatrixが公表されました。
https://pancanal.com/wp-content/uploads/2022/12/Vessel-deficiency-matrix-1.pdf
Advisory to Shipping No.A-11-2023
https://pancanal.com/wp-content/uploads/2023/01/ADV11-2023-Additional-information-Regarding-the-Complementary-Tariffs-%E2%80%93-Disruption-Charge.pdf
2023年6月2日Update
パナマ運河庁はAdvisory to Shipping No.A-23-2023にてDisruption Chargeに関して追加情報を発表しました。
Panama運河の両端に位置するターミナルを利用する船舶は、運河航行船と同じ水路を共用することから、2023年7月1日よりPanama運河航行船に加えて、同港を利用する船舶に対してもこのDisruption Chargeが課されます。詳細は以下リンクご参照ください。
Advisory to Shipping No.A-23-2023
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